いつでも微笑みを

体を壊してやりたいこともなくなってしまったから、自分が思っていることを伝えたいことをとりとめもなくかいていくよ。

【可能性の連続が奇跡を起こす】僕が愛したすべての君へ/乙野四方字【読書感想】

「どうだい和音、こんなに素敵なことはないじゃないか。僕は自分が、知らない人の幸せを喜べる人間であることを、とても幸せに思う」

あらすじ 

人々が少しだけ違う並行世界間で日常的に揺れ動いていることが実証された世界――
両親の離婚を経て母親と暮らす高崎暦(たかさき・こよみ)は、地元の進学校に入学した。
勉強一色の雰囲気と元からの不器用さで友人をつくれない暦だが、突然クラスメイトの瀧川和音(たきがわ・かずね)に声をかけられる。
彼女は85番目の世界から移動してきており、そこでの暦と和音は恋人同士だというのだが……
並行世界の自分は自分なのか?

 

公式サイトより抜粋

感想

「君を愛したひとりの僕へ」の感想はこちら
www.ritzberryfields.com

 

 SF小説って難しい単語や数式、それらを使った小難しい説明の羅列でちょっと敬遠しがちって人はいるかと思います。私が初めてSFに触れたのはゲームだったのですが、中身を理解するのは大変だったけれど興奮しながら読み進めていたのを今でも忘れられません。それは私がたまたま運良く一番はじめにそういった作品に巡り会えたのでしょう。でもこの物語はそんなSFが苦手な人でも比較的読みやすい作品なのかなと感じました。

 研究が進み並行世界という概念がすこしずつ解明されてきた世の中で、自分自身と並行世界にいる他人のような自分自身は同一なのか。また並行世界を行き来出来るが故に目の前の人間を愛し続けることができるのであろうか。そんな主題を元に主人公の幼年期から晩年までを描いた作品となっています。

 印象的だったのは主人公暦とヒロイン和音の出会いのお話です。並行世界の設定をうまくついていてこういうい切り口もあるんだなと面白く読むことができました。また二人の繋がりが強くなっていくことに並行世界という概念がうまく絡み合ってると思います。

 この物語の概念をかりて言うならば、この世界の暦は和音と出会い時間はかかる物の恋人同士になる世界があれば、暦と和音は出会うものの友達にすらならない世界、二人はまったく接点のない世界そういったいくつもの可能性が無数に存在する中、この二人が出会い恋人として繋がることは奇跡のようなことだと強く感じます。それは無数の可能性の中から選ばれたことで、他の並行世界では同じことは絶対に起きない。

 あくまでも物語ではありますが、こんな風に考えると私が過ごしているこの世界の時間は、自分自身にしか起こりえないことでそれは奇跡の連続が繰り返されて今に至っている。それがすべていいことばかりでは無いのだろうけれど、それらを含めて全てを受け入れる。そんな気持ちにさせてられました。

 

まとめ

 この物語にはついになる「君を愛したひとりの僕へ」という作品があります。こちらを読んだら「僕を愛した~」の印象も変わってくるのかもしれません。それを楽しみに「君を愛した~」をこれから読みます。

 SF小説の感想を書くのは難しいですね。もっと精進しないとなぁ…