いつでも微笑みを

体を壊してやりたいこともなくなってしまったから、自分が思っていることを伝えたいことをとりとめもなくかいていくよ。

【何度だってやり直せる】二周目の僕は君と恋をする/瑞智士記【読書感動】

君のためなら、奇跡だって起こしてみせる。
君のいない世界なんて、やっぱり僕には意味が無いから――。

 あらすじ

今を懸命に生きるすべての人に贈る、奇跡のラブストーリー。
高校三年の夏、常磐茉莉は消失した。生まれてはじめて、好きになった女の子だった。そんなつらい現実を受け止められないまま二十歳の誕生日を迎えてしまったある日、なぜか二年前の春に時間がもどっていた。当たり前に彼女と会える幸せをかみ締めながら、デート、告白と、一度目とは確実に違う行動を送るのだが……。タイムリミットは夏。なぜ彼女は消えたのか、彼女は予感していたのか。僕はもう二度と彼女を失いたくないんだ――。時を越えた二人の、奇跡のラブストーリー。

 

この作品を三行でまとめると

  • すらすら読めるがややあっさり
  • イラストとキャラクターがあっている
  • もったいないなと思う作品

感想

 書きたかったことは分かるのですが、私にとっては消化不良の残るお話でした。
 シナリオはあらすじの通りで、記憶をもったまま過去に戻りその記憶を元に未来を変えようとするお話です。

 物語に派手さはないものの高校生独特の初々しさや、綺麗で繊細な世界観、ライトノベルにありがちな突飛な表現をしない文体、そういったところは非常に良く描けています。しかしなぜか私の心にはぐっと来ないのです。

 特に感じたのは登場したキャラクターをうまく生かし切れなかったのではと思っています。主人公、ヒロインの他に主人公の友人と主人公の事を好きなヒロインの友人の四人の描写が最後まで決着しきっておらず、それでハッピーエンドを迎えてしまっているものだからなんだか釈然としないわだかまりの残る終わり方になってしまっている。そこが私にとっての最大の消化不良ポイントかと思います。この終わり方なら主人公とヒロインに焦点を絞ってかいても良かったのではと思ってしまいます。

 主人公とヒロインの登校中のやりとりやデート等のシーンは非常に良くかけているし、なによりヒロインがすごく可愛らしくかけています。ライトノベル特有のいかにもな狙ったキャラクター造形になっておらず、かつ男の人を引きつける無防備さを感じさせる描写は特筆する点だと思います。表紙の絵のキャラクターが頭の中でくるくると動き回るの想像するのは楽しく読み進める上で重要なポイントだと思います。

 ここまでかける人はなかなかいないと思います。雰囲気、描写、キャラクター造形は素晴らしいです。それだけに広げた風呂敷をたたみきれなかったと感じてしまう最後の落とし方だけが大変悔やまれるお話でした。