いつでも微笑みを

体を壊してやりたいこともなくなってしまったから、自分が思っていることを伝えたいことをとりとめもなくかいていくよ。

【正しいツールの使い方ってなに?】「私が笑ったら、死にますから」と、水品さんは言ったんだ。 /隙名こと【読書感想】

「あのさ、そういう問題じゃ無くてさ。・・・・・・基本的に、人間の集団なんて、一定数クズが紛れ込んでるんだよ。だから、こういうニュースが流れる」

あらすじ

 駒田悟理は、子どもの頃の出来事がきっかけで友達をつくらなくなり、学校でも目立たない存在の男子高校生。ある日、久しぶりに登校してきたとなりの席のクールな美少女、水品さんが、ひそかに声をかけてきた。「15分で一万円のバイトに興味はありませんか?」
思わず興味アリと答えた駒田が指示されたのは、電車に乗って席に座り、雑誌を読むこと。後日、その仕事の本当の目的に気が付いた駒田は、水品さんの変わった仕事を手伝うことになり、決して笑わない彼女の秘密にも近づいていく。
悪意のない集団の行動が人を傷つける現代社会特有の問題に触れ、またその流れを変えていくこともできるという勇気をも描いている、優しい青春ミステリー。

公式サイトより抜粋

 

この作品を三行でまとめると

  • 無自覚の悪意の恐ろしさ

  • こんな時代だからこそ「ちょっといいこと」

  • SNSと想像力

感想

 インターネットやスマートフォンの普及は、世の中をとても便利にしてくれました。いつでもどこでも簡単に情報が引き出せ、また簡単に発信出来るようになったからです。ですがはたしてその情報は正しい物なのでしょうか。不特定多数に発信してもいい物なのでしょうか。そんなつもりではなかったと言えば許されるのでしょうか。匿名なら何をしても許されるのでしょうか。私はとても疑問に感じます。

 この物語は私の疑問に対して真っ向から挑戦してくれました。それを象徴しているのがラストのシーンで主人公がクラスメイトと対峙するシーンです。ここを読んで主人公よく言ってくれたと思ったのは決して私だけでは無いはずです。とてもスカッとしました。

 またこの物語ではインターネットで一喜一憂するくらいなら、現実世界で起こるちょっといいことを大切にした方が素敵だよねという作者の問いかけのような物を感じ取ることが出来ます。ここでも私が常日頃思っていることが描かれており、同じ事を考える人はいるんだと嬉しい気持ちになりました。

 昨今SNSが普及し簡単に人が繋がる社会になりました。ですが果たしてそれは良かったのか疑問を呈せずにはいられません。私たちはこれらのツールをきちんと理解して上手に使いこなしているのでしょうか。目の前の安易な物にとびついて思考停止していませんか。想像力の欠如はとても怖いことです。人を傷つけているという事にきがついてないのですか。私は憤りを感じる毎日です。この物語はそんな私の疑問を読者に強く投げかけてきます。

 これらのことを題材にしたお話を読んだのが初めてだったので、驚きと同時にうれしさを感じています。世の中がだんだん間違った方向に進んでいるような気がしてなりません。あなたはこの物語を読んでどんなことを感じますか。