いつでも微笑みを

体を壊してやりたいこともなくなってしまったから、自分が思っていることを伝えたいことをとりとめもなくかいていくよ。

【諦めない物語】僕は僕の書いた小説を知らない/喜友名トト

たとえ覚えていなくても、毎日を積み重ね、進んできた。落ち込んで、笑って、頑張って、怠けて、嘆いて、味わって、願って、ずっと。誰もがそうするように、ずっと。

 

 心からありがとう

 仕事を辞めてから外出する機会がめっきり減ってしまいました。このままではまずいなと思いたち、外食と買い物をしに出かけることにしました。

 お昼ご飯を食べて、本を買って、家電量販店でカメラを見て。ちょっと疲れたので喫茶店に入ってそういえば今日携帯電話見てなかったなと鞄からスマホを取り出すと朝一で友人からメッセージが入っていました。内容は飲みに行こうという誘いでした。

 その友人はおもしろい人でお酒を1滴も飲まないのに飲みに行こうと誘ってきます。仕事辞めた事もとくに何も言わず普段通り接してくれます。働いた方がいいとか、今後どうするんだとか言わずにいつも通りなんです。そんな友人の事をすごくありがたいなと思います。

 私は運もないしろくな人生では無いと自分自身では思っています。が友人にだけは恵まれているなと胸をはって言うことが出来ます。今こうしてなんとか生きているのも友人のおかげなところが多分にあります。

 何もかも無くしてしまったと思ったあなた。そんなことはないです。きっとあなたが気がついていないだけですよ。

 

あらすじ

ある朝目覚めた小説家の俺は、「昨日」の記憶がないことに気づく。どうやら俺は一日ごとに記憶がリセットされ、新しいことを覚えられないという症状を抱えているらしい。可愛い女の子と出会っても、小説を書き進めても、そのすべてを明日には忘れてしまう。絶望的な状況のなか、「負けるものか。諦めるものか。絶対に書くんだ」というメッセージとともに5万字を越える書きかけの小説が、パソコンの中には残されており――。第六回ネット小説大賞を受賞した「あきらめない」物語、待望の書籍化!

公式サイトより抜粋

この作品を三行でまとめると

  • 今は過去の積み重ねの上に成り立っている
  • 主人公の泥臭さがたまらない
  • そうきたか!と思わせるギミック

 

感想

 ついつい何かいいことないかなとつぶやいてしまったり、考えてしまう事ってありませんか?特に物事がうまくいっていなかったり、失敗した後だったりすると特にそう思ってしまいがちですよね。でもそう考えているときってうまくいくことはまずないのかなと思います。なぜならいま成功していることは過去の自分が頑張ったからだと思うからです。何かいいことをおこしたいのなら、今の自分がどんなことでもいいから事象を起こすことが必要なのです。昨日の自分が今日の自分へ。今日の自分が明日の自分へバトンリレーをしている。この本はそういったことを強く読み手側に訴えかけてきます。

 主人公は斜に構えていてちょっと古くさく、物語のはじめの方は自分の好みには全然合いませんでした。しかし小説を書き上げる中で。くじけそうになっても、絶望に打ちひしがれてもてやけくそになっても、泥臭く前へ前へ進もうとします。特に一度小説を書き上げた後の絶望感から、再度主人公が執筆と向き合うシーンは鳥肌物でした。

 主人公は人によってはとっつきにくいかもしれませんが、ヒロインの翼さんもちょっと変わった感性をしています。しかしそこが主人公とよくあっていて、とっつきにくい主人公がセットになるとなんだか微笑ましく見えます。翼さんのギミックは途中で気がついたのですが気がついてしまうと逆に彼女の一挙手一投足がとても切なく、これはあえて分かるようにしたのかなと勘ぐってしまいました。

 この物語は何度か山がやってきます。それが物語を飽きさせないアクセントになっているのですが、最高に盛り上がったときまさかのオチがやってきます。最後にそうきたか!と思わせるギミックはよく出来ていてちょっとやられたなと感じました。その展開に体の中からふつふつとこみ上げてくる物がありました。

 どストレートにすごく面白かったです。この作品はいろんな人にお勧めしたいたいです。主人公の生き様に酔いしれろ!